在庫管理表は、項目を欲張らないほうがうまくいきます。
在庫管理をエクセルで始めるとき、多くの方が「どんな項目を入れればいいのか」で手が止まります。入れたい情報は次々に出てくるのに、項目を増やすほど入力が面倒になり、だんだん更新されなくなる——よくある失敗です。
このページでは、実務で続けられる在庫管理表の作り方を整理したうえで、そのまま使える無料テンプレート(入出庫記録・棚卸表つき)を配布しています。あわせて、Excelで管理し続けるとどこで限界が来るのかもお伝えします。
在庫管理表に必要な項目は、この5つだけ
在庫管理表に最低限必要な項目は、次の5つです。まずはこれだけで始めて、足りなければ後から足すのが続けるコツです。
| 項目 | なぜ必要か |
|---|---|
| 商品コード | 同じ名前の商品が複数あっても区別できます。「ボルト M8」だけでは長さ違いを取り違えます |
| 商品名 | 誰が見ても分かる名前にします。社内の通称ではなく、発注書に書く名前を推奨します |
| 単位 | 「本・巻・箱」を決めておかないと、数えた人によって数字の意味が変わります |
| 現在庫 | 手で書き換えるのではなく、入出庫の記録から自動で計算させるのが肝心です |
| 発注点 | 「これを下回ったら発注」という数。これがないと在庫切れに気づけません |
特に大事なのが「現在庫を手で書き換えない」という点です。現在庫を直接編集する運用にすると、誰かが上書きした瞬間に、なぜその数字になったのかが追えなくなります。入ってきた数と出ていった数だけを記録し、現在庫は計算で出す。これだけで在庫管理表はぐっと壊れにくくなります。
そのまま使える在庫管理表テンプレート(無料)
上記の考え方で作った在庫管理表のテンプレートをご用意しました。項目を埋めるだけで使い始められます。
テンプレートの中身(4シート)
- 在庫管理表|商品を登録すると、現在庫が自動で計算されます
- 入出庫記録|入った数・出た数を1行ずつ記録します。商品コードはドロップダウンで選べます
- 棚卸表|実際に数えた数を入れると、帳簿との差異が自動で出ます
- 使い方|最初に読んでいただく説明シートです
発注点を下回った商品は、自動で赤く表示されます。一覧を眺めるだけで「そろそろ発注」が分かります。
テンプレートをダウンロード(無料)テンプレートの使い方
使う順番は3ステップです。
① 扱う商品を登録する
[在庫管理表]シートに、商品コード・商品名・単位・保管場所・発注点を入力します。黄色いセルが入力欄、グレーのセルには数式が入っているので触らないでください。
② 入出庫を記録する
[入出庫記録]シートに、入ってきた数・出ていった数を1行ずつ追記します。商品コードは①で登録したものがドロップダウンに出ます。区分は「入庫」か「出庫」を選ぶだけです。
③ 現在庫を確認する
[在庫管理表]の現在庫は、②の記録から自動で計算されます。発注点以下になると赤く表示されるので、発注のタイミングを逃しません。
棚卸のときは[棚卸表]シートに実際に数えた数を入れてください。帳簿在庫との差異が自動で出ます。差異が出た商品には色が付くので、原因を調べる対象がすぐ分かります。
見やすい在庫管理表にするための3つのコツ
1. 色は「意味があるときだけ」使う
きれいに色分けした表ほど、しばらくすると色のルールが忘れられます。色を付けるのは「発注が必要」「差異がある」など、行動が必要なときだけにすると、色が目に入った瞬間に何をすべきか分かります。
2. 1行1レコードを崩さない
「1つのセルに複数の情報を書く」「見出し行を途中に挟む」といった作りにすると、並べ替えや集計ができなくなります。表の途中に空行や小計行を入れたくなっても、我慢したほうが後が楽です。
3. 入力する人を限定しすぎない
入力が特定の人に集中すると、その人が休んだ日に記録が止まります。現場の誰でも入力できる簡単さを優先してください。項目を5つに絞るのは、このためでもあります。
エクセルでの在庫管理は、どこで限界が来るか
エクセルの在庫管理は手軽で、少人数・少品目のうちは十分に機能します。ただし、次のような場面になると急に苦しくなります。
| こうなったら | 何が起きるか |
|---|---|
| 複数人で同時に触りたい | ファイルが開けない、あとから開いた人の入力が消える。「最新版どれ?」が日常的に起きます |
| 誰がいつ変えたか追いたい | Excelでは変更履歴が残りません。数字が合わないとき、原因にたどり着けません |
| 現場からスマホで入力したい | 倉庫や現場でノートPCを開くのは現実的ではなく、結局あとでまとめて入力することになります |
| 品目が数百を超えた | ファイルが重くなり、検索や並べ替えに時間がかかるようになります |
どれか1つでも当てはまるなら、Excelの使い方を工夫する段階ではなく、置き場所そのものを変える段階に来ています。無理にExcelで解決しようとすると、マクロが複雑になり、作った人しか触れない表になってしまいます。
次の選択肢としてのkintone
在庫管理をシステム化する方法はいくつかありますが、専用の在庫管理システムは機能が多く、中小企業には過剰になりがちです。一方で、自社専用に開発すると数百万円規模になります。
その中間にあるのが、サイボウズのkintone(キントーン)です。今お使いのエクセルの項目をそのまま持ち込んで、必要な分だけアプリにできます。
| 課題 | kintoneではどうなるか |
|---|---|
| 同時に触れない | 複数人が同時に入力できます。上書きの事故が起きません |
| 履歴が残らない | 誰がいつ何を変えたか、すべて記録されます |
| 現場から入力できない | スマホから入力・確認できます |
| 在庫切れに気づけない | 発注点を下回ったら自動で通知できます |
まずはこのテンプレートで在庫管理を始めていただくのが一番です。そのうえで「同時に触りたい」「履歴を追いたい」という場面が出てきたら、そのときに次の手を考えれば十分間に合います。
当社は岐阜・愛知を中心に、kintoneの導入支援を行っています。実際の画面をお見せしながらのご相談も承っていますので、Excelでの管理に限界を感じられたときはお気軽にお声がけください。
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