担当者任せにしない!社協職員自らが「使いこなす」ための仕組みづくりと
導入支援企業との連携


登壇者
- 犬山市社会福祉協議会 粥川 遼 氏
- 美濃加茂市社会福祉協議会 長谷川 武司 氏
- サイボウズ株式会社 山田 英生 氏
- 株式会社興栄コンサルタント 豊田 崇文
討論テーマ① 上司や組織の口説き方(予算・承認)
10年前の導入当初は、「クラウドとは何か」「大切な個人情報を外部サーバーに出して大丈夫か」という懸念を上司に説明するのが極めて困難でした。そこで最後はお金(予算)の立て付けとして、「行政からの受託事業や補助金(業務改善枠)から按分し、市からの請求に盛り込む」形にして承認を取りました(自己財源の支出は実質ゼロ)。
さらに、中部地区のkintone AWARD(業務改善発表会)で優勝して幕張メッセで全国発表を行ったことや、コロナ禍の特例貸付で行政の通訳部門と連携してパニックを乗り切った実績を示したことで、上層部や組織全体に「kintoneは素晴らしいツールだ」という強固な機運が生まれました。
上司である局長が非常に理解のある方だったため、財政面や個人情報の安全性などの立て付けをしっかり論理的に整理して説明し、全面的に任せてもらう形で承認を得ました。
討論テーマ② 最新の生成AI活用
チラシやポスター等のデザイン作成(イラスト等の生成)、アンケートやニーズ調査の際の基礎データ集め、統計のシミュレーションの補助として生成AIを導入し始めています。
相談業務や介護における長文の記録を要約するためにAIを試験活用しています。また、Microsoft 365の「社協向け無償(割引)制度」を申請し、全職員分のMicrosoftアカウントを無料で取得することに成功。これに伴い、個人情報(機密情報)をAIに入力させないためのプロンプトルール、セキュリティ手順、マニュアルを「今週中」に策定完了する予定で、職員研修を積極的に進めていきます。
企業や組織でAIを活用する際、ツールや設定と並行して「どのような機密レベルの情報まで入力してよいか」を同時進行で明確に定義(ルール化)することが成功の鍵です。
討論テーマ③ 推進者(コアメンバー)に最適な人材の選び方
組織内でkintoneを定着させるために、どのような職員をコアメンバーに引き込むべきかについて議論されました。
「パソコン操作が得意な人」「シミュレーションゲームやものづくりが好きな人」という性格の職員がkintoneの設計に向いています。しかしそれ以上に重要なのが、「誰とでも気さくに話せる相談力」のある人を選ぶことです。
開発したシステム管理者やアプリ作成者が「話しかけにくい人」だと、現場の一般ユーザー(職員)から改善要望や小さな不具合の相談が上がらなくなり、結果的にkintoneが活用されずに風化してしまうため、コミュニケーション能力(聞き上手・話しやすさ)が人選の最重要ポイントです。